「て、・・・亭主ってなんやねん!!けっこ、結婚!?したん!?俺がおんのに!?亮ちゃんやぴーちゃんならまだ許すつもりやったっつか負けるつもりもなかったけどなんでそんな俺も知らんような奴と結婚なんてしてもうたん!!??しかも、え、恋人と愛人がおるってどういう、・・そもそも恋人と愛人ってどう違うのよ!!!」


「内!信じんなお前そんっなこと!!」
「亮ちゃん!!嘘やろ!なぁ嘘やろ!?」
「嘘や!!!間違いなく嘘やから大丈夫やから!!!」
ヒロ、本日2度目の爆発だった。
乱暴になだめようとする亮の肩をしっかり掴んで喚くヒロの姿を、彼らは一歩後退した場所で笑いながら見ている。
「たっははは!!こいつおもろいなぁ!」
「めっちゃわかりやすくちゃんにベタ惚れやん!」
「せやな、顔はええのに目ぇは悪いんやなこの子、可哀想に・・・」
「考察はいらないから今すぐ訂正しろ」
「・・・」
3人、きょとんとした顔で私を見る。
そして、「なんや、お前自分にはベタ惚れされるだけの魅力があると思てんのか」とバルが言えば、「うわー・・・そんなんなお前、俺レベルになってから言えや」とユウが言い、「な、なんでそんなこと言うん、ちゃんそんな、言われるほどちゃうよ?」とチパがフォローする。
「そっちじゃねぇ!」
恋人亭主愛人のほうを訂正しろと言ってるのに。
しかも実はチパが一番失礼だったりする。
もちろんそんな馬鹿な話を信じているのはたった一人だけど、その一人が一番手のかかる一人だから面倒くさい。
「・・・ま、公園に住みたくなければ、でいいけど」
もうわかったことだけど、この一言の効き目は本当にすごい。水戸黄門にとっての印籠と同レベルの効果だろう。つまりは、問答無用。
案の定3人は「うわっお前ほんまきったないなー」「せこっ」「それ言われてまうとな」などとぼやきながらも、半狂乱の状態にあるヒロに「あー今の嘘やぞ」「嘘に決まっとるやんあんなもん」「ごめんな!」と次々に声を掛ける。
「・・・・え、嘘?ほんまに嘘ですか?・・・なぁ亮ちゃん、ほんまに嘘?」
「せやから俺さっきから言うとるやんけ!!聞いとけアホンダラ!!!」
「なぁ、嘘なんやな?結婚してないんやな?」
「そうだよ」
「愛人もおらんねやんな?」
「いないよ」
「彼氏もおらんねやんな?」
「いないよ」
「そっか!・・・・・・ま、そらそうやんな!」
「そらな」
「そらそうやわ」
「そら当たり前やな」
「・・・・・・そらそらそらそら言いやがって・・・」
いなくて当たり前、みたいな。揃いも揃って失礼すぎる。
てゆーか、亮とユウとバルってなんか似てないか・・・?こう基本的にひとをバカにしているところとか。
「だってお前ずっと彼氏おらんやろきっと」
「おったらおったでビックリするけどな。実際どうなん?」
「あーも、ほんまにそのっ通り。こいつ今まで彼氏いてたことないですよ」
・・・ほんっとに・・・彼らは、仲良くなれそうだ。どうせならもうそのまま亮の家に住めばいいと思う。・・・でもそういうわけにもいかないんだろうな。錦戸家はうちと違って家族全員が一軒家に住んでいる。
「あ」
ユウが気がついたように声を上げる。
「どうしたんユウくん」とチパが尋ねると、ユウは当たり前の顔をしてこう言った。


「こんなところで立ち話もなんやから、ほれ、上がれや」


誰ん家だよ。








(06/22)