「いや、せやからーあいつのどこがええん?何にそんな魅力あんの?」
「えっとな、・・・え、なんやろ・・・ねぇ亮ちゃん、の魅力ってなんやと思う?」
「ない」
「そっか」
「そこは『そっか』でええのか?」
「魅力ないとこがええんちゃうかひょっとしたら」
「あ、そういう可哀想なとこ?」
「あー、ありがちやな」
「でもな内、そういうのは同情やねん恋とはちゃうねん。絶対続かんからそういうカップル」
「うっそ!コレ恋ちゃうの!?」
「いや、恋ー・・・やと、思うけどなぁ俺は。だって好きなんやろ?可哀想やから一緒におったらなーっていうんやなくて好きやから一緒おりたいって思っとるんちゃうの?」
「あ。じゃあ、じゃあわかった内に質問な質問」
「おん」


「お前は、あいつのことが、好きなんか?」


「・・・・・・・・・いや、好き好き!」
「いやー、間があったな」
「しかも同じ言葉二回繰り返すのって本気やないって言うよな」
「そうなん?」
「『似合う似合う』とか『聞いとる聞いとる』とかな。たいーがい別に特別似合うわけでもなく別に聞いてもないっちゅー」
「いや!いやいやいや、好きす・・・き・・・・・・なんか、なんか2回言うてまう!なんで!?」
「ちゃうそーれはー、内が心の中では別に好きちゃうねんて。せやからこう、脳みそはもう理解しとるから好きちゃうってことを。せやから思わず2回言うてまうねん!」
「え、マジで!?俺のこと好きなんとちゃうん!?今までずーっとそうやって生きてきたのに!」
「壮ー大な、勘違い劇やったんやな・・・」
「勘違いー!!??」








という会話がリビングでなされているとき、私はお風呂に入っていた。
もちろんこんな内容とは知らない。
というわけでお風呂から上がってリビングに戻ると、初対面だったはずの彼ら5人は随分と打ち解けていた。テーブルの上にはお菓子とつまみの山、彼らの前には、綺麗な色の飲み物が入った缶。何とは言わない。未成年だから。未成年だから。
そしてどうやらそれらは私がお風呂に入ってる間に買ってきたものらしい。





「・・・なんだ、結局コンビニ行ったんだ。ならアイスでも買ってきてもらえばよかったー」
私がそう言うと、彼らは初めてこっちに気がついたらしくパっとこっちを振り向いた。


「・・・おーいおいおい、湯上りは2割増しでええねんけど今あれや、大事な男の話をしとるとこやから、ちょっと外してくれんか」
「せや、お前はもうとりあえず髪でも乾かしてこい自分の部屋で。つか風呂上りにブラつけるんは邪道や」


この二人は無視。


「あ、アイスな、買ってきてくれとったよ亮が」
「・・・え、マジで?」
「なめんな。チョコモナカジャンボや」
「いやっ、マジですか!超嬉しい亮ありがと大好きー」
「うっわお前に大好きとか言われてごっつテンション下がったわ今」
「はーいはい。心配すんなってウs」
「・・・あ、」
「あ?」



「あかーーーーーーーん!!!!!!!!」



深夜0時ジャストのシャウトだった。
とはいえ両隣は錦戸家と内家なわけで、もちろんここに苦情は来ない。たぶん明日ヒロがお母さんに怒られるんだろうな、ということはわかるけれど。


「どうした、どうした内」
が亮ちゃんに大好きとか言うの嫌や!絶対あかん!!!」


それはわざわざ立ち上がって言うことなのか?


「・・・・・・なんの話してたの、私がお風呂入ってる間」
「さぁ」
「さぁってこたないでしょいたでしょ普通にアンタ」
という私と亮の会話をぶった切って、「内」とバルもソファから立ち上がる。
そしてヒロの正面まで行くとおもむろにその右手を差し出して、言った。



「合格や」



「は?」
ワケがわからない私と亮とヒロを差し置いて、ユウも「せやな合格やな」とうなずいた。「十分やろ、満点やろ」とチパも笑う。
「ヤキモチの感情が芽生えるってことは、」
「しかもそれだけであんなにも叫べるってことは!」
何故そこで連携する。
「ちゃんとお前は・・・、こいつのことが好きってことやんか・・・」
何故そこでそんなに格好つける。
「・・・バルくん・・・!」
何故そこで感動する。
「くっ・・・だっははははは!!」
何故そこで爆笑する!



「いや、今のめっちゃよかった!」
「せやろ!感動的やろ!」
「感動的やった!おん、今のは決まったで!」
「俺めっちゃ自信ついたわーやっぱのこと大好きなんやんな!」
「せやせや!ちゃんとできとるやんけお前!」



これがあの飲み物の威力、なのか?



それはわからないけど、完全に私が蚊帳の外なのはわかる。いや、いいんだけど。下手に関わるとヤケドしそうだし。
・・・髪、乾かしてこよ。








(06/24)