「ほんで?あいつ学校で何しとんの、どうなの」
「成績もええし校則違反もしてへんし、特に問題ないで」
「仲ええ奴とかおんのか」
「おるおる。丸山と大倉っていう、・・・まぁお前らに言うても知らんやろけど」
「丸山さんと大倉さん?」
「丸山くんと大倉くんやな」
「男か!」
「え、あいつ女の子の友達やっぱ少ないん?そんな感じはするけど」
「おらんわけちゃうけど、特にいつも一緒おんのはその二人やっていうだけの話やから。心配するほどちゃうで」
「その二人は、えー・・・あいつにどういう、感情を・・・」
「そこはなー教師はあんま知らんとこやからなそういう事情は」
「何しに教師やっとんねんお前」
「生徒の色恋沙汰に口出すためとはちがう」
「自分の色恋のが大事か」
「まぁ正直な、人間やっとる以上は」
「え、お前ほんまに、あいつのこと好きなんか?」
「それはないから!そこの勘違いをまずどうにかしよな」
「いやほんでもーほんでもー・・・あいつかわええやろ正直」
「いやまぁ、そやなそれはな」
「そうやんな、俺らよぉ言わんけどさあいつには。ほんでも顔は、顔だけはかわええとは思うねんそこは認めとんのほんまは」
「・・・・・じゃあほんまはさ、お前らが!のこと好きなんちゃうの?」
「あっほお前、俺ら従兄妹やん!」
「喋ってて楽しいねんけどな、あいつ律儀につっこんでくるから」
「ほんでもそーれはないわー・・・性格が悪いもんあいつは」
「常識常識言いよんねん。お嬢様やしなー。形破りができひんA型やねんあいつ」
「それイコール性格が悪いってことではないと思うねんけどな。お前ら知っとるか、従兄妹って結婚できるんやで」
「アホかお前、アホか!!!!いらん情報やそんなもん!!」
「それはあかんわあいつ、内がおるやんか」
「あ、そうや!」
「お、なんや彼氏おんの?」
「彼氏ゆーかあいつにベタ惚れな男がおんねん」
「隣に住んどんねや」
「多少可哀想なアタマの子やけどな、ええ男やで」
「男前やねん。ちょっと家庭訪問の記録でこれメモっといて」
「いらんわーそんなん。進学とかになんの影響もないからなそんな情報」
「そんなん言うてお前、悔しいだけちゃうか?やっぱ狙っとんねやろあいつのこと」
「アホいいな!お前らそこから離れろやもー、ほんまになんもないねんから。なんならその内って子のこと応援したるわ」
「またまたぁー」
「ほんまやんけなんやねんその顔は!」













「コーヒーでいいか・・・」
仕方がないので村上先生にはリビングまで上がってもらって、ついでにちょっと声を押さえ気味にしてもらえるようにお願いして、もちろんそんな会話がされていることなど知りもせずに私は台所に立っている。
「ユウくんのちょっと甘めにしたって。俺とバルくんのは普通でええから」
「はいはい」
なんだ、ユウはああ見えて甘党なのか。でもそういや昨日もアイス食べてたもんなぁ・・・
・・・じゃねーよ。
「なんであんたらの分までいれなきゃいけないわけ」
「うわバレたぁ!さりげなく言ったのに!」
たしかにさりげなかったけどさ、そりゃバレるよ。
チパは悪びれもせずにこにこ笑いながら、「お願い!俺らもコーヒー飲みたいねんて。ほらユウくんもバルくんもあの先生とめっちゃギャーギャー言うて喉使っとるし、喉乾いてまうからさ」と言う。
叫ばなきゃいいだけの話で、さらに言えば出てこなければよかっただけの話で、つかなぜあの状況でギターなんか弾いたのか。
そう尋ねるとチパは「弾いてーってバルくんが言うたから?」と首をかしげる。
「弾いたのはチパか!!」
「え、うん、なんかあったからさ、クローゼットの中に」
「何勝手に開けてんのクローゼットとか」
「だって暇やってんもん・・・」
「テレビあったでしょお父さんの部屋。見てればいいでしょ」
「テレビも見とったよ。そしたらなんか時代劇がやっててー」
「・・・・・・」
それであの登場の口上か。たしかになんか時代劇っぽいなぁとは思ったんだ。
・・・・・・馬鹿、だよなぁこいつら・・・。








(07/13)