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一分がやたら長い。 村上先生の公民の授業はほとんど頭に入らないまま、時計をじーっと見つめている。 亮からのメールに『何があったの?』とこっそり返信したものの、それから何の音沙汰もない。 不安だ。不安で仕方がない。絶対あいつらなんかやったんだ。つーか亮また学校さぼったんだ。ってことはヒロも一緒?いやあいつら卒業できんのかな・・・。 なんてことを考えていると、「」。村上先生がいつの間にか目の前に立っていた。 「・・・はい?」 「はい?ちゃうわ。お前今全然聞いてなかったやろ授業」 バレてた。そりゃそうか。「・・・スミマセン・・・」とりあえず謝る私の頭を軽く叩いて、村上先生は教壇に戻る。村上先生の「軽く」は私にとってはそうじゃないことくらいわかってほしい。普通に痛い。 「大丈夫?」 こっそり声をかけてきたのはマルだった。とりあえずうなずく。 「痛かったなぁ今のは」 「そうだけど・・・ってか、それよりも心配なんだよ家が」 「あぁ、メール来とったもんな」 するとマルの前の席に座るタツさんが突然 「せんせーさん生理痛やばいってー」 と声を張った。授業中の静まり返った教室で、いつもぼそぼそ喋るタツさんが、一日のうち一度か二度しか出さないような音量で。 クラス中の、視線。痛い痛い痛い。マルは隣で「タツ、」呆気にとられている。 「・・・・・・ちょ、何言ってんだタツさん!!最低!!」 「だってそれやから集中できひんねやろ授業。なんでお前そういう日にバファリンかノーシンピュア持ってこやんの?」 「そういうことじゃない!!」 ってゆーか、生理痛でも生理中でもなんでもない。そうだったとしても絶対言わないしこいつになんて。 「・・・え、、大丈夫?」 信じんのかよ先生。こんなに大声出してる。どう見ても病人じゃない。 いやわかるんだけど、タツさんの意図は。そもそも事情も知ってるし、さっきのマルと私の会話を聞いて早退させてくれようとしてるってのはわかるんだけども。 なんでよりによって生理痛?すっごい、デリケートな部分なはずなんだけど。 「・・・セクハラだタツさん・・・」 「そうやでそれはあかんぞたつよし・・・」 「あったかい友情やん」 シレっとこの野郎。 「いや、ほんまにそんな生理痛ひどいん?え、ってことは腹か?」 ・・・先生。この場でそんな、追求しないでも・・・言わせたいのか私に、「生理痛」って。この静まり返った教室で。生徒数38人全員出席のこの教室で。どんな羞恥プレイだ。 「・・・・・・・・・そう、ですね・・・・ひどく痛いです・・・」 腹より心がね。 (01/09) |