完全に意思にそぐわない形で早退をして、それでもまぁとりあえず大急ぎで家に帰る。
「・・・あれ」
家の前には黒いクロスバイクが停めてあった。
これはたしか、トモの愛チャリのはず。ってことはトモがうちに今いるってことで、ってことは久しぶりにトモの紅茶飲めるってことだ。そう思ったけど、ちょっと待てよ。



ってことは、あいつらとトモがご対面してるってこと?



慌てて玄関を開けると、見覚えのある靴があった。黒くてごっついブーツはトモの、そしてかかとが潰れたコンバースは亮ので、限定カラーのアディダスはヒロの。
「・・・まさかの揃いぶみかよ」
呟いた瞬間に、「あ、帰ってきた!」とヒロがリビングからひょこっと顔をのぞかせた。
「今物音したからそうちゃうかなーって思ってな、俺すごいやろさすがやん!おかえりおかえりー!」
「・・・ただいまっていうかヒロまた亮と学校サボったんだ」
「ちゃうよ、創立記念日でお休みやってん」
「今年入って何度目だよ創立記念日」
そう言うとヒロが「うわピーちゃんとおんなじ反応!亮ちゃーん、やっぱこの言い訳あかんわバレとるー」とリビングに顔を戻して言った。
「いや言うとくけどその言い訳考えたんも使ってんのもお前一人やからな」
と、声。それから一拍遅れて、亮がリビングから出てきた。
そして、



「お前はよ来いよアホ!!めっちゃグズやなメール送ってからどんだけ時間かかっとんねんノロマ!」



私に向かっての第一声は罵倒だった。



「ちょっと亮ちゃん!あんまきついこと言わんといてよに!」
「お前も全然役立たんかったやろが!俺とチパがなんぼハラハラしたと思っとんねん!」
「え、なんでハラハラすんの!?」
「なんでわからんの!?ほんまもう嫌や俺ほんまに!!」



・・・え、聞けないんだけど。「なんでハラハラすんの?」って絶対私の立場から言えば正当な質問なのになんかこの流れじゃ聞けないんだけど。「・・・うーん。」とりあえず、自分の目で確かめようか。



忘れがちだったけど、ここ、私んちだしね。










(01/09)