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「亮ちゃーん」
「あ?どないしてんピー」
「なんでのこと無視したの?」
「・・・・・・手越?」
「そうそう、手越に聞いた。手越も戸惑ってましたけどね、普段あんなバカップルがそんなんなってんだから」
「いらんお世話やろ」
「・・・そーゆーこと言うなよ。普通に心配だろ」
「・・・・・・悪い。」
「で、なんで?」
「あー・・・・・・」
「・・・・じゃあさ、いつからなの?そういうの」
「5日前くらい、やな」
「5日間無視しっぱなしなの?」
「おん」
「メールも電話もしないで」
「そう」
「かかってきたら?それも無視?」
「・・・そう」
「で、会ったら無視?それひどいよ?」
「・・・・・・わかっとるわ」
「わかってるだろうけどさ、じゃあなんでそんなことしてんの?が傷つくことくらいわかってんじゃん」
「・・・・・・・・・怖いねん」
「・・・・・・・・・怖い?」
「・・・・・・なんかな、俺今ドラマやっとるやんか」
「うん」
「めっちゃ、殴ったりとかさ、家ん中に閉じ込めたりしとるやん、俺の役は」
「うん」
「なんか・・・・・・なんか、同じこと、現実にやっとるみたいな気がすんねやんか」
「・・・・・・同じ事?亮ちゃん、のこと殴ったりしたの?」
「してへん。それはしてへんけどさ、殴りたくなったこともいっぺんもないし。でもなんやろ、そっちやなくて、」
「束縛?」
「そう、束縛をー、なんか、いつか俺やるんちゃうかなってなんとなく思うねん」
「・・・・・・・なんでそんなふうに思うの」
「ちゃう、わかっとるよあれは役やん。俺はああいう役をこう、演じとるだけやん」
「そうだね」
「せやけどなんつーんやろ、現実の俺が・・・なんか、そんなことをやったっていう・・・ないはずの記憶がいきなりブワーッて甦ってくるみたいな、感覚になって」
「・・・・・・過去に彼女を殴った経歴のある自分、みたいな気持ちになるってこと?」
「そう。・・・で、そういうんって繰り返すって言うやんか。もうせぇへん!って思ってたってさ、ドラマん中でも結局俺の役の男は何回も恋人んこと殴っとるわけやし」
「うん」
「せやから、俺は『また』のこと殴ってまうんやないか、殴らんとしても、異常なくらい束縛してまうんやないかって」
「ちょっと待ってちょっと待って。『また』とか言うけどさ、一回もそんなことはこれまでなかったわけでしょ?」
「そう、ないはずやねん。せやけどなんか、それがすごい、怖いねん。いつか自分はきっとやってまうんやって、なんか、考えてまう」
「・・・・・・だから、のこと避けてんの?」
「そら会わんかったら殴ったり縛りつけたりもできひんから、一番安全やんか。でも結局一番の理由は、俺が・・・怖いからやねん」
「・・・・・・・・・・・・・・・そっか」
「このまんまやったらアカンって、わかっとるよ。わかっとるけど、なんか、動かれへん、今」
「亮ちゃんはそんなことしないよ」
「・・・・・・」
「亮ちゃんはそんな奴じゃねぇしそんなこと俺めちゃくちゃ知ってっし」
「・・・・せやけど」
「万が一そんなこと亮ちゃんがほんとにさ、にしたら・・・・・・・俺が責任持ってぶん殴るから、亮ちゃんのこと」
「・・・・・・」
「・・・だから、大丈夫なんだよ」
「・・・・・・・・せやな・・・」
「今はだからそんなことさ、もう心配しないでいいから。起こるかわかんない・・・っつか確実起こらないことでが傷つくとか考えてないで、それよりも、今なんでが傷ついてんのかを考えてよ」
「・・・・・・・・」
「好きなひとに無視されてんだよ。一切連絡つかないんだよ。自分じゃどうしようもないんだよ」
「・・・・・・・・」
「亮ちゃんがすっごい辛かったのはわかるよ。いろいろ考えてそうしたんだってのもわかるよ」
「・・・・・・・・・」
「でも、のこと助けてやってよ。亮ちゃんじゃなくちゃできねぇんだよ」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・と、まぁ差し出がましいことを久しぶりに熱くなって言ってみましたけど」
「・・・・・いや、・・・ありがとうな、ピー」
「・・・いーいーよ」









(05/20 山下さん、ちょっと怒る。)