携帯がポケットの中で歌いだしたのは、学食で早めの昼食をとっている最中のことだった。からのメールだ (この着信音は彼女ひとりのために設定してあるので、ウィンドウを覗くまでもない)。
最近姿を見ることもなければこの着うたが鳴らされることもなく、大学にもたぶん来てないんじゃない?というのは彼女の数少ない女友達の心許ない証言。
「最近ってどんくらいよ」
正面でメンチカツ定食を喰らいながら山下が尋ねる。
「6日!!」
「  6日って」山下は呆れたように呟いた。だから最近って言ったじゃん。
「6日連絡なくて心配するって過保護すぎない?別にお前ら付き合ってるわけでもないしさぁ」
そうだけど。
「あ、今のって禁句だった?ワリ」
いや遅いしね。
「いーんだよ。きっといつかは俺を選んでくれる!だからこうしてメールをくれる!俺はそう信じる!」
希望と願望を叫びながら携帯電話を開けば、彼女の姿。コーヒーに砂糖を落としてるだけの、視線も笑顔もない写真。
「・・・ね、ちょーっと  キモい よ? あ、ちゃんがじゃなくてカメがね?」
待ち受け画面を覗き込んだ山下の台詞は無視!これを撮った一ヶ月前のあの日、待ち受けにしてもいー?とブリッコしながら尋ねたらはあっさり頷いたんだから 問 題 ナ シ!











Date:01/31/11:21
Sub:無題
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たすけて



-END-













一瞬、思考停止。
だけど動揺はすぐに俺に追いついた。
「やややや山下!どうしようなんだろコレ!!」
「お前がどうしようでなんだろうだよ。何?フラれた?」
「ちっげーし!!」
メールを見せると山下は眉を寄せて「非常事態なんじゃない?」。
「わーかってんだよそんなことは!!」
「わかってんなら電話してみなよ。チャンスチャンス」
電話!!そうかその手があったか!!



1コール、2コール、3コール、4コール・・・・・・・・・・12コール目まで数えたとき、ようやく最愛のひとの声が俺の耳に飛び込んできた。



やばい、それだけで溢れそう。



「も、もしもし!!??」
「・・・・・・はい」
「どうしたのなんなのこのメール!今どこいんの!?」
「うち」
「家!?家でなに」
「何もないの  ないんだよ。  ねぇかずや、」
彼女の声は俺を黙らせるのに十分な威力。名前なんて呼ばれたら、幸せすぎて死にそうだ。










「おなかがへって、しにそう」










死にそうなのは彼女だった。



















第一目標セブンイレブン
(食料買わなきゃ!!!)











(02/04 でっかい文字から次へいけます。1ポンドのこうさくと亀が混同!)