ピンポーンと悠長に鳴り響くチャイムさえもじれったい。
待ちきれずに「ー!大丈夫ー!?」ドアの前で叫んだ。返事はない。ノブを回すとあっさりドアは開いて、のやつあれだけ言ってるのにまた鍵掛けてなかったんだ。
「 あ、かずやー?」
奥から聞こえた細い声に、靴をそろえるのも忘れて走った。
「  、」
ソファでくたりと横になっているを見つけた瞬間、馬鹿みたいに安心して、長い長いため息をついた。








「何から食う?」
「おでんー!」
「ハイおでんー!」
「こういうのから食べないとね、冷めちゃうからね」
「あ、肉まんもあんだよ」
「じゃあそれも食べよ」








幕の内をレンジで温めながら、「なぁ、」声を掛けると、大きく齧りとられた肉まんを指差して、それから自分の口を指差して、「ほっほはっへ」・・・ちょっと待って、と言ったんだな。
「ほらお茶」
「ん。・・・・・・ぷは」
「もう続けてもいい?」
「うん。何?」
「なんで俺のこと呼んだの?」
「え、」
「つかなんでもっと早く呼ばないの?え、お前どんくらいメシ食ってないの何キロ痩せた?やつれたよねあきらか!あ、そーだ鍵も!!俺こないだちゃんと閉めるようにって言ったよね!!?」
「かずや、しゃべりすぎだよ。食べなよ」
押し付けられた肉まんから逃れられずにとりあえず齧って、あ、思ったよりうまいななんて思いながら飲み下した。
「意外とおいしいよね」
「うん、ちょっとなめてたわコレ」
うんうんと頷くと俺、まるで恋人みたいな和やかムード。
「・・・・・・じゃなくてさぁ!!」
「ごめんなさーい」
がふふっと笑う。その笑い方は反則だ。
「なんか、やる気にならなくて何にもしなかったらこんな事になっちゃって。だから鍵のこととか忘れてたけど3,4日開けっ放しだったね」
開いた口がふさがらない。
開けっ放しでもしなんかあったら。オートロックがついてるようなマンションじゃあるまいし、そもそも女の子の一人暮らしで、
「おっ前ねぇ・・・さすがに怒るよ俺!」
「 うん、だからさ、かずやが持っててくれないかな」
コレ。と差し出されたのは銀色の・・・
「か、  鍵 ?」
「そう、うちの鍵」
思わず両手で受け取って、言葉を見つけられない俺を他所にはおでんのこんにゃくを箸で突き刺した。行儀悪い、だってすべるんだもん、というやりとりはいつだったか、したことがある。
「昨日ね、なんでこんなにやる気出ないんだろうって考えて、 かずやに会ってないからじゃないかなって気付いて。ああそうだって思って。だから呼んだの」
思考が追いつかない。まばたきが増えてる自覚は、ある。
「え、え、それって・・・」



「かずやのことが好きだ、あたし」



にっこり笑った彼女が、一口水を飲んでから息をついた。



















第三目標彼女のくちびる
(しあわせの味しかしないって絶対!!)










(02/04 テンションについていけず)