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の家の前で、深呼吸。意を決してドアノブに触れた瞬間に静電気がバチっと弾けて、さっそく心が折れそうになった。 「・・・・・・もー・・・」 次は恐々ノブを握る。もう大丈夫。・・・よし!とりあえずもう一度、深呼吸。 ドアノブを回す、 と同時に、外開きのこのドアが、内側から力いっぱい開け放たれた。 「ぶっ!!!」 ・・・・・・・鼻骨直撃・・・!! あ、やばいこれは本当にマジで痛い。折れてるかもしんない。最悪すぎる。なにが起きた?誰がドアを開けた?俺まだドア引いてなかったんだけど。誰が開けた?つか誰がいんの?の部屋に誰が、 「誰やコラァ!!!」 ・・・え、これ俺の声?自分でびっくりした。俺こんな声出せたんだ。つか俺いつの間にか関西人になってたんだ。びっくりするわそういういきなりの設定変更って。 っていう冗談は置いとこう。実際俺にはここまでドスのきいた声が出せるはずもなく(野球部で健全な発声ばっかしてきたからね、真面目だったのよ俺)、俺の前に仁王立ちして思い切り眉間にしわを寄せている男の声だっていうことくらいはわかってた。 「・・・えぇぇぇぇ・・・」 「誰やねん、あぁ?お前あれか、にちょっかいかけとんのか。ふざっけんなやさっさと帰れボケ!」 「・・・いや、あんたこそ誰、」 「いっぺんでわかれやさっさと帰れ言うとんねん痛い目見んとわからんのかコラ!!」 もう痛い目見てるんすけど、鼻に。 「なぁ、聞いとんのか?おい、なぁ!!」 黒髪関西人が俺の胸倉を掴んだ。待って待って待って怖い怖い怖い、上田上田上田!!! 「・・・・・・どしたの、亮くん」 ドアの陰から聞こえた声は、もちろん上田の声じゃない。そしてその声が呼んだのは、俺の名前じゃない。 「なんか変な奴が部屋の前うろうろしとってん。お前出てくんなよ危ないから」 変な奴?俺が?しかもうろうろもしてねぇよ静電気にびびったりドアぶつけられたりしただけだし! 「・・・離せ、よっ!!」 胸倉をつかんでいたその腕を振り解くのに、勇気は特に要らなかった。 だって、逃げるだけだし。 (03/17 よわっ) |