コンコン、





「お呼びですか社長」
「あ、ええなその入り。なんかこう、秘書っぽい。もっかいちょ、出てってから入ってきて」
「・・・・・・」
「はーよ」
「・・・・・・」





パタン。





コンコン、





「・・・お呼びですか社長」
「1回目のがよかった」
「それは失礼しました」
「まぁええわ。ちょっとそこ座って。楽にしたまえ」
「はい、失礼します」
「あやっぱ先お茶入れて」
「・・・ハイ。」
「そこにこないだ貰ったええお茶あるから」
「はい、ではそれを」
「・・・あーーー疲れた」
「まだ10時ですが」
「出勤で疲れたもん」
「毎朝のお迎えがあるだけ楽でしょう。わたしたち平社員は毎日通勤快速です」
「あ、そうや。今日から運転手が変わってんで」
「あら、そうなんですか?」
「そう、今日からの運転手はほら、いつも清掃員やっとる」
「あの清掃員ですか!?」
「たぶんその清掃員やな。丸山って奴」
「・・・清掃員ですよね?」
「そう」
「どうしてそんな人にドライバー業務まで」
「前の運転手が昨日付けで辞めてもうたから」
「何をしたんです?」
「社長が寝坊しても始業時間に間に合せんのがドライバーの役目やん。なのにあいつそうやって言うたら『そんなん無理ですよ!』とか逆ギレしよってそのまま辞めよってん」
「それは逆ギレというより正当な怒りのような気もしますが。はい、お茶です」
「ちょ、お茶とか熱すぎんの無理やぞ俺。ちゃんとそのへんした?」
「よろしければ10分待ってからお飲みください」
「ほんでその丸山って新しいドライバーがな、」
「ドライバーではないですよね?とりあえずは清掃員ですよね?」
「どっちでもええねんそんなん。その丸山が車ん中で朝から喋り倒しや」
「あぁそういうタイプの人ですもんね・・・」
「あんなテンションに朝一でついていけるわけないやん。せやから今日疲れたっつっとんの」
「それはそれは、お疲れ様でございました。それで社長、ご用件は?」
「ん?」
「お呼びになった用件です社長」
「あー・・・」
「ないのであれば自分の部署に戻らせていただきますが」
「・・・・・・いや、ある。あるある」
「なんでしょう?」
「・・・・・・」
「・・・ありませんね?」
「暇やねん」
「失礼します」