「あれ?」
「あっれー?さん」
「田口さんじゃないですか。今お帰りですか?」
「そうなんですよ、まぁ寄り道して帰るんですけどね」
「あら、デートですか?」
「いやそんないいもんじゃないですよ。ちょっとしたパーティーです」
「パーティー?」
「今日僕誕生日なんです。両親がそのお祝いしてくれるって」
「あらあら、それはおめでとうございますー!」
「いい年して家族に祝ってもらうなんて恥ずかしいですけどね」
「そんなことありませんよ、仲良くて素敵じゃないですか」
「ありがとうございます。あ、さんも来ます?」
「え?でも私田口さんのご家族とはまったく面識ないですし」
「紹介しますよ。それに主賓の僕が招くんだから問題ないでしょう」
「それはそうかもしれませんけど・・・つか主賓って」
「どうせ部外者もたくさん来るんですよ。誕生日パーティーとは名ばかりの社交パーティーみたいなもんですから」
「・・・どういう規模ですか・・・?」
「あそこに見えてるホテルの、最上階のレストランを貸しきったみたいですよ」
「ヒルトンですよアレ!!」
「まぁ僕は別にホームパーティーで十分って感じなんですけどね、父も立場があるんであまり簡素にはできないらしくって」
「・・・ちなみに、お父様のお仕事は」
「あぁ、たいしたものじゃありませんよ。内閣の」
「それ以上は結構です」
「そうですか?」
「ええ。十分です。そして尚のこと私招かれるわけにはいきません」
「どうして?」
「格差社会のあおりを確実に受けますから。心にダメージを受けてしまいそうで」
「あぁ、たしかにその通勤スーツじゃ浮いちゃうかな・・・でもホテルの中にそれなりのブティックが入ってるでしょうし、そこでドレスでも買って着替えたらいいですよ。なんならヘアセットだってしてもらって」
「身なりだけの問題じゃないんですよ。しかもあそこの中のブティックっていわゆる海外有名ブランドたちじゃないですか・・・分割払いでも払いきれません」
「いや、それくらい僕負担しますし!」
「そんなわけにはいかないでしょう!」
「僕とさんの仲じゃないですかー!遠慮なんていりませんよ」
「正直取引相手っていうだけの仲ですよ。そりゃ遠慮するでしょう」
「たまにはシンデレラ気分でも味わってみたらどうですか?さんちょっと顔疲れてるし」
「・・・刺さった・・・」
「あのレストランのローストビーフ食べたら元気出ますよ?すげーおいしいんで」
「ローストビーフはとても魅力的ですけれど」
「どうせ予定ないんでしょう?」
「・・・なんかこう、いたずらに私をへこませるのはどうしてですか」
「あぁごめん、いや、すみません。半分冗談だったんですけど」
「もう半分は本気じゃないですか」
「違いますよ、もう半分は願望です。さんに予定がなかったらいいなっていう願望」
「物は言いようですね」
「来ていただけませんか、僕の誕生日パーティー」
「・・・・・・」
「来てくれますよね」
「・・・・・・、」
「まぁ両親に女性を紹介するのなんて初めてなんで、下手したら婚約者に祀り上げられる可能性もありますけど」
「急用ができたので帰ります」
「待って待って待って!予定なんてないでしょ!」
「なんなら作ります予定」
「できないと思いますよ、今からじゃ。」
「うるさいですよ!じゃあ帰ってDVD見て寝ますからお気になさらず!」
「もうそんな変な意地張らずに。8時からなんですよパーティー。それまでにさんのドレス見繕ってヘアメイクしてもらわないと・・・あーギリギリだな時間・・・」
「ねぇ行かないですってば」
「さ、行きましょうか」
「ちょっと!!」









(11/29 ちょっと会社関係ない話になっちゃった。田口さんハッピーバースデー!)