「なぁ」
「なに?」
「お前あの新入社員のことなんて呼んどる?」
「新入社員って、二人いるけど」
「ちっさいほう」
「あぁ、章大くん?」
「・・・章大くん?」
「章大くんって・・・」
「でしょ?安田章大のことでしょ?」
「・・・うーわ」
「え、お前あいつと付き合っとるってガチなん?」
「はぁ!?ありえないでしょ!何その噂!」
「だってお前、普通ただの後輩のこと下の名前でくん付けで呼ぶか!?」
「だってしょーがないじゃんあいつが苗字で呼ばれんの嫌いなんですーって言うから!あんたらだって言われたでしょ!?」
「言われたけどそこで章大くんって呼ぶか?」
「章大さんって呼ぶのは未来の嫁さんだけだって言うから。え、あんたらなんて呼んでんの?」
「ヤス」
「ヤス」
「・・・・・・あ、それアリ?」
「アリやろ!それなら苗字ちゃうし」
「なんなん、気付かんかった?」
「うわーあだ名・・・あだ名っつーか・・・いいなぁそれのが・・・」
「でももう遅いんちゃう?」
「章大くんって呼んどるしよく昼飯一緒食っとるしでお前、だいぶそれっぽく見られとんぞ」
「それっぽくって、付き合ってるっぽく?」
「そうそう」
「俺らは、なぁ?そらお前の好み知っとるからそんなん信じひんけど。でもさっきほんまにお前が『章大くん』って呼んだの見てびびったんやで」
「デマデマ!お昼だってまた明日ーって言われたらそりゃさぁ、また明日も来なきゃいけないのかなってなるじゃん!待ってたりしたら可哀想だし」
「あいつ調子乗んで」
「乗るなたぶん」
「やっべぇ・・・え、あたしの他に章大くんとか呼んでるひといないわけ?」
「おらんやろ」
「見たことも聞いたこともないな」
「すっごいやっちまった感・・・」