「・・・あのさー」
「うん?俺今ドライヤーに一生懸命」
「いやそれはありがたいねんけどな、ちょっとええかな」
「なーに?」
「美容室行ったことある?」
「そりゃありますよ」
「ドライヤーかけてもらったことありますか?」
「何十回も」
「そんときこうやってかけてもらってないでしょ」
「こうやってって?」
「正面向かい合わせでドライヤーしてもらってないでしょ?っつっとんの。あ、ちょっともうそこ頭皮熱いんで・・・」
「あぁごめんごめん・・・え、そうだっけ」
「たいがい美容師さんは後ろからドライヤーかけますよ」
「まぁ言われてみたら」
「ちょっとね、真正面すぎて気まずいからさ」
「そう?」
「さっきからあんま目ぇ合わせられへん」
「それは気になってたんだ俺も。が全然俺のほう見ないなって。どっか遠く見てんなって。ちょっとだけ横向いて。耳の後ろらへんが乾かしにくいから」
「こう?・・・いやこれはいいんだけど、さっきのは真正面すぎて気まずいんですよ」
「恥ずかしいだけだろ」
「・・・・・・つーかやっぱかけにくいでしょ、正面からドライヤーは」
「話変えた今。ねぇ話変えた今。」
「ええから。ええから。な。かけにくいやろって」
「だいじょうぶー」
「大丈夫ちゃうよこんなふうにドライヤーかけるひとおらんって」
「俺ちっちゃいころお母さんにこうやってかけてもらった」
「・・・マジで?」
「ような気がしないでもない、かもしれない」
「曖昧すぎる」
「いやいいからいいから。まぁ俺に任せてよ。完璧な具合に乾かしてあげるから」
「ほんまにぃー・・・?」









(11/14 露骨すぎる男。)